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2018年5月19日開催 第19回 がん診療アップデート 開催レポート 緩和医療について

井上あずみ、ゆーゆ親子(2)

ゆーゆさんご誕生から病気発覚まで

司会
そのご主人様が、歌を支えていただいたということで。その後、可愛い愛娘さまのゆーゆちゃんがご誕生になられたということなんですね。母親になられた時の感想というのはどうでしたか。

あずみさん
39歳で妊娠して40歳で生んだのですが、遅く出来た子供ですごく嬉しかったのですが、妊娠8ヶ月まで全国でコンサートをしてました。
私は双角子宮ということがわかって子宮が大きくならないのでずっと逆子のままだったので結構大変でしたが、色々な方に助けていただきまして帝王切開で出産しました。

司会
ではお腹のなかでゆーゆさんはずっと歌声を聞いてられたのですね。

あずみさん
大きなお腹でコンサート会場へ行くと、全国各地の子供たちがさわらせてと言って「元気に生まれてくるんだよ〜」って声をかけてくれたりと。一番いい胎教だったのではと思っています。

司会
ゆーゆちゃんの2歳の時のお写真です。可愛いですね。このゆーゆちゃんが3歳になった時に家族にとって大きな出来事があったんですね。

あずみさん
急性リンパ性白血病ということで。いつもソファでダラーっとしていたので初めは風邪を引いたのかなあと思ってました。ご飯を食べなくなってしまったので、かかりつけの病院に連れて行きました。その時に漢方薬を出されて無理に飲んだのもあって薬嫌いになってしまったのですが。
そのまま何週間か経って、元々色白だったのがすごく真っ白になってきたのでちょっとおかしいと思い、近くの大きい病院に行ったら入院かも知れないということになりまして、先生の勧めでそのまますぐ検査を受けました。検査の結果は急性リンパ性白血病でした。
やはり子供たちに向かってコンサートすることが多いので「どうして私が...」と思いました。

司会
もう大変ショックだったんですよね。

あずみさん
そうですね。先生に「どうして白血病になったんですか?」って聞いたんです。やはりいろんなところに連れて行ったり体の様子を見てなかったから?休ませてなかったから?風邪引いたのに何週間も放っていたから?とか色々と自分を責めたんですが。先生が仰ったのは「もし白血病になった理由が分かったら白血病というものはなくなっていると思います。」と言われてもっともだなと思いました。
あと「今は急性白血病というものは治る確率がすごく高くて、医療はこの50年間ですごく進歩しているので、安心してくださいとは言えませんが、ちゃんとプログラムを組んで頑張りましょう。」と言っていただきました。

司会
しっかりと受け止められたわけですね。

あずみさん
はい。今回のこのイベントのテーマが緩和ケアということで先生方が講演をなさってましたけど、最期だから緩和ケアということではなく様々な段階・意味合いでの緩和ケアがあるということを聞いて「なるほど。分からないことは知ったかぶりしないで、本やネットだけを見るんではなくて、看護師さん、薬剤師さん、先生に聞くべきなんだなあ。1人だけで悩んでいても仕方ないんだなあ。」とすごく思いました。

司会
先生方と今後の治療の説明を受ける時に、ゆーゆちゃんご本人も一緒にお話しを聞かれたということなのですが。

あずみさん
そうなんです。すごく苦い薬を飲まなくてはいけないですし、痛い検査もありますし、一番大変なのは彼女じゃないですか。なので彼女自身も分かったうえでないとと思いました。でも3歳なのでわからないだろうなと思いながらも一緒に交えて話を聞きました。先生方は小さい子供でも分かるように丁寧に説明をしてくださいました。

司会
ではゆーゆちゃん自身も自分の病気を受け止めてから闘病生活にはいられたのですね。ゆーゆちゃんのご様子はいかがでしたか。

あずみさん
きつい抗がん剤を飲むと髪がなくなると聞いて、それまでは長い髪だったのですがまずは髪を短くおかっぱにしましょうか?ということになりまして。私はおかっぱにする時が一番悲しかったんです。これから本当に頑張って行かなくてはいけないんだなと。

司会
そこから入院生活が始まるということなのですが、あずみさんはお仕事はどうされましたか。

あずみさん
村上隆さんというクリエイターの方がおられるのですが、カイカイキキが映画になるということで。村上さんがトトロの「さんぽ」が大好きで宮崎駿監督の大ファンで「あずみさん、さんぽみたいな曲を主題歌で歌ってください。」とオファーをいただきました。
実はその曲のレコーディングの日がゆーゆの入院の日だったんです。人生観ではないですが、いい日もあれば悪い日もあるな....と感じました。
その曲がすごく元気の良い曲だったんです。やはりそんな日に元気よく歌わなくてはいけないのはすごく辛かったです。

司会
看病は、周りの方やご主人のご協力がありましたでしょうか。

あずみさん
はい。仕事がある時は私の母が付いてくれて、大変な時は主人に行ってもらったりしていました。

司会
先程の講演で小山教授が仰っておられましたが、今まで楽しんでいたことを続けることが頑張ることが出来るエネルギーになる、ということでしたので、歌い続けることで一緒に乗り越えて行けてたということもありましたでしょうか。

あずみさん
入院していたのが子供病院でいろんな重い病気の子供たちが集まる病棟だったのですがみんな元気なんです。
2年間ぐらい入院してる男の子なんかは、ゆーゆが来た時にはすごく可愛がってくれて、そういう子供たちはやはり外出は出来ないのでテレビやDVDを見て楽しむしかないので、みんな私の歌を知ってくれているんですね。
この子達が見て聞いてくれている曲を私は歌っているんだから、もっと元気や勇気を私が見せなくちゃダメだと思いました。
私が病院へ行くとワーーって集まってきてくれて頑張ってきた甲斐があったと思いました。

司会
病院でも歌姫になられてたということを聞いたのですが。

あずみさん
私がゆーゆに歌を歌っているとどこかで聞いたことのある声だなということがきっかけで、絵本を読み聞かせたり、ミニコンサートをしていました。

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