中山マキ子先生の講演このページを印刷する - 中山マキ子先生の講演

2013年6月8日開催 第14回" がん診療アップデート 住みなれた場所でともに生きていこう 開催レポート
 がん診療アップデート会場
 開講の挨拶
 森川 栄司 先生の講演
 中山 マキ子 先生の講演
 長尾 充子 先生の講演
 森 景子 先生の講演
 アグネス・チャンさんの講演1
 アグネス・チャンさんの講演1
 閉講の挨拶
   
中山 マキ子 先生の講演
 
「わが家で自分らしく」 ケア南海株式会社 訪問看護ステーション 中山 マキ子 氏
 
在宅医療に移ってからの訪問看護のご利用方法、医療方法、在宅でのケアについてお話しさせていただきたいと思います。
まず訪問看護とは、医者から私たちに信書をいただきます。あくまでも訪問看護は医療なので指示が無くてはいけません。ご自宅で療養生活をされている皆様のお宅に伺って看護をさせていただくサービスです。
 
例えば健康管理・介助・予防等をおこないます。対象は乳幼児から高齢者までを対象に保健師・看護師・医学療法士等がご家庭の方に訪問致します。そして病院・施設・かかりつけ医等と連携を取りながらご自宅での療養生活をサポートさせていただきます。介護保険・健康保険・その他公資制度等が利用出来ます。介護保険に入っておられる場合は介護保険が優先となります。
 
ケア南海株式会社 訪問看護ステーション 中山 マキ子 氏
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自宅療法される方々が安心した生活を送れるように医者やケアマネージャなどの連携をもとに健康状態のサポート、在宅医療に必要な医療管理、緊急時の対応、看取りの支援などを含めたことを医療の専門家として24時間幅広く支援しております。
 
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次に事例を紹介します。
 
まずは、74歳の男性の方。いろいろながんがありもう治療もできない、でも痛みはある、だけどお家に帰りたい、ということで家に帰って来られました。お庭でお食事をされたり、歩ける時は居間でお茶を飲んで談話を楽しんでおられました。ある時に居間のテーブルの段差につまずいて転倒されました。転倒とともに痛みが増強し体を動かすことができなくなり寝たきり状態になってしまったんです。ご家族が農繁期で介護を中々出来ないので、症状コントロールのため緩和病棟に入院されておられます。このご自宅というのが山の中で家の導入口は車が一台通れるか通れないぐらいの幅でどこにお家があるのかな、という所に訪問させていただいております。症状が緩和して農繁期が終わり本人が帰りたいと言われたら、先生の方からも許可が出ておりますのでご家族の方も楽しみにしておられます。
 
次に、68歳の男性の方。5年間の闘病生活を経ましたがありとあらゆるところにがんができ余命1ヶ月ということでお家に帰りました。帰る時は痛みのコントロールのためカテーテルと車いすの生活でほとんどベッドでの生活です。まず帰るやいなや歩きたいと言われ理学療法士にアセスメントしてもらいました。次に風呂に入りたいと言われ心房細動あるなかでしたが希望を優先し解除しました。膀胱内には常にカテーテルが入っていますが抜いてくれと言われ、徐々に慣らして抜いて行こうとしていましたところ、ある早朝におしっこが詰まっていると連絡があり訪問して確認した所管が閉塞しており、替えのカテーテルがないので仕方なくカテーテルを抜きご自分の力でおしっこをしていただくと、ジャジャーと出たのです。嬉しくてハグしました。それからは嬉しくなって歩行器を使って歩く練習をして愛犬のエサをあげられるまでになりました。しかし丁度1ヶ月と1日目の夜中2時に呼吸が止まって最後を見送らせていただきました。とても安らかなお顔でした。この方は大変奥様のことを気にかけられ、旅立つ前にいろいろな整理等をされておられましたが、最後に奥様に「一つだけお願いがあるんだ、死亡届だけは僕は持って行くことができないからお前だしてくれるか。」と言い残されたそうです。
 
そのように私たちは、すみなれたわが家で自分らしく生活していただくための訪問看護師です。何かありましたらいつでもご相談下さい。