森景子先生の講演
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大阪南医療センターは地域がん診療連携拠点病院と位置づけられています。全国に診療連携拠点病院は51病院あり、地域がん診療連携拠点病院は46病院あります。がん診療連携拠点病院は、5大がん(肺、胃、肝、大腸、乳)について集学的治療、標準的治療、応用的治療を行う体制を有するか、または連携によって対応できる体制を有すること、緩和医療の提供体制を備えること、病病連携・病診連携を備えること、がん相談支援センターを設置することが必要とされています。
当センターは平成14年に南河内二次医療圏の地域がん診療連携拠点病院にしていされました。そのことから必要な体制を整えていますが、その中の緩和医療を提供できる体制として緩和ケアサポートチームがあります。
緩和ケアとは何かを説明します。一般的に緩和ケアを言う言葉を聞くと、終末期をイメージする方がいらっしゃるかも知れません。しかし緩和ケアとは、身体の辛さ、気持ちの辛さ、生活上の辛さを抱えた患者さまとご家族とを、総合的に支えていく医療のことで、がんと診断された時からいつでも受けることが出来まるケアです。ですので終末期だけに受ける医療ではありません。
当センターには緩和ケアサポートチームがあります。チームは、医師、看護師、心理士、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー、理学療法士など様々な職種で構成されています。がんの患者様が抱えている悩みは多岐に渡っています。そのため、このように様々な職種のものが集まりそれぞれの専門性を発揮することで患者様のサポートを行っています。そしてその中の看護師の一人としてその中に所属しています。緩和ケアサポートチームとは、痛みやその他の症状に対応するサポーターです。
住み慣れた場所で過ごすということは自分のペースを守ることができたり、家族とすごすことができること、自分らしく生活することができるということです。しかしその反面、何かあったときにどうすればいいのかわからない、家族の介護負担が大きくなったり迷惑をかけるのではないかなど不安も様々であります。そのような不安を取り除いて住み慣れた場所で過ごすためには、病院や在宅医、訪問看護などと協力して患者様が安心して希望する場所で過ごせるような医療を提供できる体制が必要です。地域の皆様が希望する場所で過ごせるようにこれからもお手伝いさせていただきます。
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