鳥越俊太郎先生の講演(1)このページを印刷する - 鳥越俊太郎先生の講演(1)

2012年6月9日開催 第13回 がん診療アップデート がん治療の最前線 開催レポート
 がん診療アップデート会場
 開講の挨拶
 講演:がん治療の最前線(1)
 講演:がん治療の最前線(2)
 講演:がん治療の最前線(3)
 講演:がん治療の最前線(4)
 鳥越俊太郎先生の講演(1)
 鳥越俊太郎先生の講演(2)
 閉講の挨拶

さてご来場の皆様も楽しみにされていた、鳥越俊太郎先生による講演の始まりです。


鳥越俊太郎先生のご登場

ジャーナリストの鳥越俊太郎先生のご登場です。

ジャーナリストの鳥越俊太郎先生のご登場

今から40数年程前ですが、大阪毎日新聞で警察担当の記者をしたのですが、刑事さんたちが何故か南河内が多かったんですよね。毎晩のように河内長野、富田林、羽曳野を夜回りしていたものです。この辺りは田舎だなあとおもっていましたが、大阪南医療センターもあってこのようにがん治療について講演会を開いてくれてよいところですよ。

今日は医者の方々と患者の側とでは視点が違うと思いますので、患者の視点でお話しできればと思います。

一病息災

私はがんで4回手術していますがこれだけピンピンしています。現在何歳だと思いますか?年男で72歳になります。元気でしょう?なぜか?自分ではなぜこんなに元気なのかははっきり分からないんですが、これは先程先生方が仰られていたように免疫力が関係しているんでしょうね。がんになる前と今じゃ仕事が3倍に増えています。今の方ががんになる前より身体の調子が良いです。

無病息災と言う言葉があるように、一病息災という言葉があります。どこか一つ悪いところを持ってる方が自分の身体に関心を持ち健康でいられるということです。私の場合まさしく「一病息災」です。がんになったおかげなのです。

手を挙げる場面
ちょっとお聞きします。皆さん、ご自身の知り合いの中にがん患者がいます、という方は手を挙げてください。そして周りを見回してください。どうですか?ほとんどの方が手を挙げてらっしゃいます。

今や二人に一人ががんになる時代です。風邪をひく頻度でかかるぐらいのイメージですが、風邪は治りますががんは現在は死亡原因のトップですから、やはりがんについて私たちは日頃からがんに対してどういう心構えでいればいいのかを考えて行かなくてはいけません。


私の周りにもがんでなくなったりがんかもしれないという方が多い

昨日実は京都で一番親しかった友人が亡くなったんです。その友人は2年前に食道がんの手術をして大丈夫だろうと思っていたら、今年に入ってPETと言われる検査をしたらリンパ節にがんが見つかりました。手術をして取ったんですが、術後一日半後ぐらいに容体が急変してあっという間に亡くなったんです。私は医者の説明に立ち会ったんですが、最終的には亡くなった原因は先生も分かりませんということでした。医者なら専門家なのでどうにかしてくれるだろうと信用しているのに愕然としました。

その前の日には私の知り合いが、動脈瘤があったのでCTを撮ったら肺に陰が見つかったんです。私は急いだ方が良いと思い私の主治医に相談しました。そしてそのCT写真をその先生に診てもらったところ疑わしいと言うことになりました。裁判では疑わしきは罰せずですが、がんの場合は進行してしまうと治療できなくなる可能性もあるので疑わしきは取った方が良い、というのがその先生の考え方です。現在いくらがん治療薬や放射線治療が良くなってきていると言っても、生存率が高く現段階で人間の持っている最大の対抗手段はやはり手術なんです。来週早速手術を受けることになりました。私の周りにもそれぐらいがんでなくなったりがんかもしれないという方が多いです。

肺がんで亡くなった方で私が思い出すのは筑紫哲也さんです。彼はタバコが好きでヘビースモーカーでした。井上ひさしさんもヘビースモーカーでした。もうひとり、つかこうへいさんもそうです。
3人連続でがんで亡くなられたら、タバコはがんの引き金になるというのは医者の言うとおりタバコはダメだと思いましたね。私はやめて良かったと思いました。

受動喫煙は気をつけてくださいね。家でご主人がタバコを吸っていたらすぐ表に出してくださいね。本当にタバコは悪いと思いますので吸われている方は、本人のため、家族のため、すぐにおやめになることをお勧めします。