堀内 哲也 先生の講演このページを印刷する - 堀内 哲也 先生の講演

2014年5月17日開催 第15回 がん診療アップデート がんの予防・早期発見 開催レポート
  がん診療アップデート会場
 開講の挨拶
 細野 眞 先生の講演
 神戸 章 先生の講演
 堀内 哲也 先生の講演
 陰山 麻美子 先生の講演
 原 千晶さんの講演(1)
  原 千晶さんの講演(2)
 原 千晶さんの講演(3)
 閉講の挨拶
 
堀内 哲也 先生の講演


「がんの検診について」 大阪南医療センター がん診療連携総括部長 堀内 哲也

まず大阪府のがん検診の受診率をお示しします。胃がん検診の受診率は、日本の平均が30%なのに対して大阪府は21%で日本で47位と最下位です。大腸がん検診の受診率は、日本の平均が24%なのに対して大阪府は18.9%で日本で46位。肺がん47位、乳がんも子宮がんもあまり成績はよくありません。特に肺がん検診の受診率が低いわけですが、全国平均が17%に対して大阪府は8%と低率です。

がん検診で見つかるのは比較的早期がんでありますので、早期治療で生存率が高まります。がん以外の病気も見つかることもあり治療につながりますので安心した生活が続けられるということで検診は受けて頂きたいと思います。
また早期がんであれば90%以上の方が5年間生きることができていますが、進行がんになりますとどんどん少なくなり悪いものでは10%以下になりますので、早く見つければ治りやすいということがわかります。
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大阪南医療センター がん診療連携総括部長 堀内 哲也

次に乳がんと大腸がんの検診の内容についてお話しさせて頂きます。
乳がん検診は、ご自身で問診票に書いて頂き医師が診察した後、マンモグラフィを撮影します。
大腸がんの検診ですが、便潜血反応検査を2回おこない、陽性となると大腸内視鏡検査をおこないます。当院のデータでは少なくとも大腸がんの患者さんの20%の方が便潜血反応検査で発見できたということがわかりました。大腸がんになった場合の治療の話を少しします。患者様に優しい治療は、内視鏡治療で大腸におしりの穴からカメラを入れて腫瘍を取るという手術や、腹腔鏡下手術という創の小さな手術があります。大腸がんになった人がどのような治療をどのような割合でおこなったかを見ますと腹腔鏡下手術や開腹手術などの治療以外に、内視鏡治療が増加している事がわかりますので、近年は比較的早期発見がなされているということが分かるのではないでしょうか。
このように、早期発見すれば内視鏡治療という優しい治療がおこなえますので、きちんとがん検診を受けていただければ幸いです。


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最近、河内長野の中学校で、がんの教育ということでお話をさせて頂きました。河内長野市のマスコットキャラクターモックルが出てくるスライドで中学生に話をおこないました。「がんって知ってるかい?増えてるんだよ。」という話をしながら、お家のご家族にがん検診を受けるようにお伝えいただくことも兼ねて、今日お話ししたことと同じ様なことを説明しています。このようにがん教育もおこなっています。