部門の特色

輸血臓器管理室では、輸血業務全般に責任を有する常勤医師と専任の常勤臨床検査技師を配置し、輸血療法の適応と安全対策について常に最新の知識に基づいた対応で取り組んでいます。
輸血用血液製剤、末梢血幹細胞、臍帯血、骨バンクのドナー骨は輸血臓器管理室で一元管理し、ABO血液型、Rho(D)血液型、不規則抗体検査、交差適合試験、間接クームス試験は常時実施出来る体制が構築されています。
また、輸血療法委員会を年6回以上開催し、血液製剤の使用状況報告や輸血療法に伴う副作用の把握と対策などを検討し、安全で適切な輸血療法の実施に役立てています。

主な業務と実績

血液型検査(ABO血液型、Rho(D)血液型)

オモテ検査:抗A、抗B試薬を用いて患者赤血球のA抗原、B抗原の有無を調べます。
ウラ検査:A1赤血球、B赤血球試薬を用いて患者血漿中の抗A、抗B抗体などの規則抗体の有無を調べます。
オモテ検査とウラ検査の結果が一致しない場合、原因を精査してから血液型を確定しています。

不規則抗体検査

抗A、抗B抗体以外の血液型抗原に対する抗体を不規則抗体といい、2つに大別されます。

免疫抗体:妊娠や輸血をきっかけに産生する可能性のある不規則抗体
自然抗体:妊娠歴や輸血歴のない方でも産生する可能性のある不規則抗体

このうち体の中で赤血球を壊す(溶血といいます。)可能性があるのは免疫抗体で臨床的に大変重要であるため、輸血をする可能性がある場合にあらかじめ検査しておきます。免疫抗体が検出された場合、抗体と反応しない輸血製剤を「選んで」輸血します。

交差適合試験

輸血前に輸血製剤と患者血液とを混ぜ合わせ、溶血につながる抗原抗体反応が起こらないことを確認するための検査です。

同種血輸血(献血由来の血液製剤の輸血)

赤血球液、新鮮凍結血漿、血小板濃厚液などの製剤の発注・保存・管理・運用を行っています。夜間や緊急時にも対応出来るように24時間体制で業務を行っています。

自己血輸血

ある程度の出血が予想されており、手術日程が調整可能な場合、自分の血液を手術前に貯めておいて手術時に利用する方法です。自分の血液を使うため、同種血輸血時に起こりうる副作用が起こりにくい利点があります。自己血輸血を希望される場合は主治医にご相談ください。輸血臓器管理室では自己血の保存・管理・運用を行っています。

造血幹細胞・骨バンク

末梢血幹細胞、臍帯血および、骨バンクのドナー骨の保存・管理・運用を行っています。

TOPICS

部門の体制