妊娠初期から産後まで ~ママの心の変化~

ママの顔から笑顔が消えた?

女性にとって周産期(妊娠期~産後の時期)は、心や身体の変化が大きく、負担がかかりやすい時期です。急に涙が出たり、落ち込んだり、イライラしたり・・・
ホルモンバランスという要素に加え、体型の変化や出産・育児に対する不安により、ママの心はとても揺らぎやすくなります。こうした揺らぎはママになる人誰にでも起こり得る自然な心の反応です。では大きく揺らぐママの心について3つ紹介します。

産前(妊娠)うつ

身体的な変化や悪阻によるしんどさ、出産・育児への不安から産前(妊娠)うつが起こるといわれていますが、ほとんどの場合妊娠初期に終わり、期待の方が大きくなることで解消される場合が多いので、あまり心配する必要はありません。旦那さんにしっかり受け止めてもらいましょう。

マタニティーブルー

出産により女性ホルモンが胎盤とともに体外に出てしまい、女性は急激に体内のホルモンバランスが変化します。これにより自律神経系が影響され、イライラしたり悲しくなったり不安定になってしまうことをマタニティーブルーといいます。
ピークは一般的に産後2~3日目といわれ、大半は1ヵ月ほどでおさまりますが、産後の育児や家事による疲労で症状が悪化することもあるので注意が必要です。
また、ホルモンバランスよりも大きな原因となるのが疲労です。夫婦でコミュニケーションをしっかり持つことや、家事の分担を行なうことで疲労を少しでも解消できるよう、旦那さんの協力と理解が必要です。

産後うつ

日本では10人に1人、最近では5人に1人がかかるともいわれているほど増えているのが産後うつです。産前うつやマタニティーブルーの症状は軽度なものですが、ママの性格や環境によって産後は重度な症状におちいる可能性があります。また里帰りから帰ると話し相手がいなくなったりママの疲労が蓄積してくることで産後うつになりやすいともいわれているので注意しましょう。
完璧主義の頑張り屋さん、特にキャリアを積んできた女性がパーフェクトに出来ない自分を責め、産後うつ状態になることも多いようです。産後うつになる多くのママは自分がうつになっていることに気が付かないという特徴があります。
ただ、これも一過性のもので、どういうものかを理解して対処法を知っておくことで自然に解消していくことができます。子育ては思うようにならないことの連続なので心に余裕がなくなってしまうことがあります。うまく出来なくて当たり前、子どもの成長とともにママもゆっくり成長していきましょう。

心のケア

妊娠・出産・育児は喜ばしいことですが、心身の疲労から、楽しいと感じられることばかりではないこともあります。妊娠中、出産前後は心身ともにデリケートな状態です。

例えばこんなことありませんか?

  • 気分の落ち込み
  • 食欲がない・眠れない
  • 何に対しても興味が持てない
  • 集中できない
  • 母親としての役割が果たせないと悩む
  • 子どもや夫に愛情を感じられない
  • 将来に対して希望が持てない

いずれかに当てはまる場合は身近な医療スタッフに相談してみましょう。
当センターには不安や困難を感じられた時、お話をうかがい不安や気持ちの整理をするお手伝いをするこころの専門家の臨床心理士もいます。
カウンセリング希望の方は医師・助産師までお気軽にお声がけください。