部門の特色
がんの薬物療法は日々進歩しています。特に近年では、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場により、肺がんをはじめ多くのがんに対する治療成績が飛躍的に向上しています。しかしその一方で、免疫関連有害事象(irAE)と呼ばれる副作用も見られ、特に皮膚・肺・腸・内分泌臓器などへの影響や、基礎疾患である免疫異常の増悪が課題となっています。当院では専門資格をもつ医師、看護師、薬剤師からなるがん薬物療法サポートチームが、irAE(免疫関連有害事象)を含めた副作用のコントロール対応について、専門的な観点で介入、アドバイスを行っています。
また、当院は免疫異常に関する専門家が常駐する医療機関として、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患をお持ちの患者さんのがん治療を積極的に行っています。そのような合併症を持つ患者さんにおいても専門医と相互に連携し、患者さんごとのリスクを評価・管理しながら、安全かつ効果的ながん治療を提供しています。

主な業務と実績
がん薬物療法勉強会の開催
がん薬物療法サポートチームは医療関係者向けに勉強会を開催し、薬物療法に関する実際の症例の共有、解説をしています。2023年度に行われた勉強会では、全体の参加者106名のうちWEBからの参加者が84名、そのうち30名は地域の保険薬局の方であることがわかっています。また、全体のうち45名が薬剤師であり、薬物療法への関心の高さと勉強の機会の必要性が感じられます。今後も院内外問わず、薬物療法に関する様々な場面でサポートを行ってまいります。
