部門の特色
リハビリテーション医学とは、さまざまな疾患や外傷などにより生じた機能障害を回復し、残存した障害を克服しながら社会復帰が出来るようにサポートする医学分野です。当科では、主として整形外科疾患・脳血管疾患・神経筋疾患・心疾患・呼吸器疾患・内科疾患・がんなどの急性期を中心に、他部門と連携をとりながらリハビリテーションを提供しております。また、2023年3月に開設した緩和ケア病棟にも理学療法士・言語聴覚士が介入しております。
リハビリテーション科における治療手段には、理学療法・作業療法・言語聴覚療法があり、医師の指示のもと各療法士が個別に診療を実施しております。施設基準として、心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)・脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)・廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)・運動器リハビリテーション(Ⅰ)・呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)・がんのリハビリテーションを取得しており、質の高い医療を提供できるよう臨床研究・医療資格取得・医療技術の向上に日々、自己研鑽に励んでおります。


主な業務と実績
理学療法(PT)
理学療法には、温熱・寒冷・電気刺激などの物理的手段を用いた物理療法や関節可動域運動・筋力増強運動などの運動療法や起き上がり・立ち上がり・歩行などの動作獲得を目的とした基本的動作練習があります。基本動作能力の獲得を目標に、病棟で可及的早期に治療を開始し、理学療法室や屋外歩行練習場への訓練へと進めて行きます。
作業療法(OT)
作業療法は、様々な活動を用いて関節可動域・筋力・筋持久力運動や上肢の機能訓練を行ったり、食事・排泄・更衣・入浴など日常生活動作練習を行います。 当院では、病室から可及的早期に治療を開始し、日常生活動作の自立に向けて治療・訓練にあたっております。
言語聴覚療法(ST)
言語聴覚療法は、嚥下機能の向上・誤嚥性肺炎の予防を目的とした嚥下練習、コミュニケーション機能の改善を目的とした言語・構音練習、記憶・注意・認知などが障害される高次脳機能障害の評価・練習を実施しています。
部門の体制
大阪大学大学院
理学療法 | 理学療法士長 | 1名 |
---|---|---|
副理学療法士長 | 1名 | |
主任理学療法士 | 3名 | |
理学療法士 | 12名 | |
作業療法 | 主任作業療法士 | 1名 |
作業療法士 | 6名 | |
言語聴覚療法 | 主任言語聴覚士 | 1名 |
言語聴覚士 | 4名 |
TOPICS
原則、入院中の患者様を対象として、リハビリテーションを実施しています。
がんのリハビリテーション
診療体制(2025年4月1日時点)
- 理学療法士 がんのリハビリテーション研修修了者 14名/17名中
- 作業療法士 がんのリハビリテーション研修修了者 3名/7名中
- 言語聴覚士 がんのリハビリテーション研修修了者 3名/5名中
実績
- がん患者リハビリテーション料
2022年度 4259件(5373単位) 2023年度 3886件(4873単位) 2024年度 3975件(4757単位)
- 緩和ケア病棟介入(包括)
2024年度 1697件
当院の取り組み
- がん患者さんに対し、より多くの回数と質の高い診療を提供出来るよう、積極的に人員配置を進めております。また、がん術後の患者さんに対するカンファレンスも定期的に行い、多職種で情報共有をしながら診療にあたっております。
- 緩和ケア病棟に専従の理学療法士と言語聴覚士を配置しております。退院を目指す患者さんに動作改善目的に介入したり、緩和目的で運動を実施したりしております。言語聴覚士は、ほぼ全症例に対して嚥下障害に対するアプローチを行っております。専門的な知識や技術に基づくアプローチを行い、QOLの改善を目指します。
- 当科ではがん患者さんを含め、より多くの患者さんに質の高い診療を提供するため、月1~2回の勉強会や、3年目までのスタッフを新人ととらえ、教育マニュアルに沿ったスタッフ教育を行っております。また、現在理学療法士は土日診療、作業療法士/言語聴覚士は土曜日のみの診療を行っておりますが、中長期的には365日診療を目指しております。