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診療案内

 当科では、胃癌、大腸癌、肝・胆・膵の癌、胆石症など消化器疾患を中心にヘルニア、痔疾患なども含めた広い領域で先進の外科治療を行っています。当院はがん患者の5年生存率の改善を目指す国のメディカルフロンティア戦略の一環として設立された、国指定の「地域がん診療連携拠点病院」に、2002年12月に指定されました。特に我が国に多い胃癌、大腸癌、肝癌、乳癌について地域医療機関と密接に連携して継続的に全人的な質の高いがん治療を提供することを目標としています。
 がん治療は外科治療、内視鏡治療、化学療法、放射線治療、緩和ケア医療など多岐にわたりますが、それぞれの進歩が著しく、各科が個別に対応するだけでは治療方針の決定に際して不十分なことも多くあります。当院では内科医、外科医、放射線科医、病理医、検査技師、認定看護師などその領域の専門家による「キャンサーボード」によって様々な検討をすることで個別化治療を行い、患者さん中心の医療、安全で質の高いがん医療を提供できるように努めています。
 2019年の当科の全手術は548件で、悪性疾患の手術件数は胃癌45例、大腸癌100例、肝・胆・膵癌37例でした。腹腔鏡下手術を中心とする鏡視下手術も積極的に行っており、2019年は329例を腹腔鏡下に治療し、その内訳は大腸切除術80例、胆嚢摘出術83例、胃切除術30例でした。
 また予定手術では、手術前週に病理医を交えて術前カンファレンスを必ず行い、治療方針を決定し、術後1ヵ月にも術後カンファレンスで手術治療の結果を検討しています。
 なお乳腺疾患では2016年4月より乳腺外科専門医が赴任し、乳腺外科として外科より独立し、より専門的に乳癌治療を行っております。


腹腔鏡下手術

 胆石症に行われる腹腔鏡下胆嚢摘出術は小さな傷で痛みが少なく、術後の回復も早く癒着も少ないため、現在、世界で一番症例数の多い標準的な手術になっています。症例によって、美容上の利点などから低侵襲手術として単孔式腹腔鏡下手術(おへその1カ所の切開創から手術器具を挿入して臓器摘出を行う手術)を虫垂手術の一部に、切開創を減らした腹腔鏡下手術を胆嚢手術の一部に行っています。
 当科の最大の特徴は根治性を確保した上で積極的に大腸癌や胃癌の患者さんに対して腹腔鏡下手術を行っていることです。腹腔鏡下手術は通常の開腹手術に比べ特有の技術と経験が必要ですが、当科では4名の日本内視鏡外科学会技術認定医が中心となり、腹腔鏡手術に精通したスタッフとともに手術を行っています。悪性疾患に対する腹腔鏡下手術は2003年に開始して以来、大腸癌手術数は2020年5月までに1200例をこえ、胃癌手術も430例以上に施行し、良好な成績を得ております。
また鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術も増え2019年には83例の方に施行しました。
さらに特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する脾摘術、食道裂孔ヘルニアに対する修復術なども腹腔鏡下に行っています。
 この体にやさしい手術は、手術後の回復が早く、痛みも少ないため、高齢者の方にも手術後の合併症などを起こさない点などでいい方法であることが示されています。
さらに2020年6月より4K腹腔鏡を4台導入し、さらに精緻で安全な手術が可能になりました。
なお肝癌に対しては、適応をみて腹腔鏡下に肝部分切除術やマイクロ波凝固術も行っています。

腹腔鏡下手術の様子

手術には超音波メスや自動縫合器などを使います。超音波メスは、組織を切りながら血を止める事ができる道具です。自動縫合器は、すべて自動ではありませんが、医師が針と糸で組織を縫わなくても器械で組織を縫いあわせる(縫合)器械です。
このような器械の使用により、以前に比べて、手術での出血量が少なく、縫合不全(つないだところが漏れること)が減少しました。
腹腔鏡下胃切除で大網を超音波メスで切離しているところ
腹腔鏡下胃切除で大網を
超音波メスで切離しているところ
 腹腔鏡下胃切除でリンパ節郭清が終わったところ
 腹腔鏡下胃切除で
 リンパ節郭清が終わったところ
腹腔鏡下直腸切除で後腹膜を電気メスで切開しているところ
腹腔鏡下直腸切除で後腹膜を
電気メスで切開しているところ
 腹腔鏡下直腸切除で自動吻合器で吻合しているところ
 腹腔鏡下直腸切除で
 自動吻合器で吻合しているところ

※マイクロ波凝固療法:MCT(microwave coagulation therapy)

 治療に使われるマイクロ波も、電子レンジに使われているマイクロ波と同じ原理です。マイクロ波が照射された水分子は激しく振動し、熱を出します。その熱を利用して肝腫瘍を熱凝固して治そうとする方法がMCTです。腫瘍の局在等により、経皮的、開腹、腹腔鏡下のアプローチがあります。経皮的MCTでは、エタノール局注療法とほぼ同じで、超音波装置を使用して肝腫瘍にマイクロ波電極針を刺入して凝固します。


合併症防止対策

 手術手技が安定してきた今日、合併症防止対策は重要な問題です。 われわれの対象疾患は、胃癌、大腸癌、乳癌、胆石症などであり、その合併症としては、縫合不全、腹腔内膿瘍、創感染などがあげられます。2004年よりわれわれはこれらの合併症(Surgical site infection:SSI 手術部位感染)の防止対策を進めてまいりました。
その結果、創感染の率を比較的感染率の高い大腸手術においても約2%弱まで減少させることができました。
 また2006年よりSSIサーベイランス研究会に入り、更なる感染防止対策を行ってきました。その結果、2011年12月より日本外科感染症学会認定の外科周術期感染管理教育施設に認定されました。 2012年より2018年の手術部位感染の率は胃手術 5.3%(25/472例)、大腸手術 4.8%(35/724例)であり、全国の平均(胃手術8.6%、大腸手術 12.4%)に比較して、非常に良好な成績でありました 。
※また最近は術後合併症をおこすとがんの予後が悪くなるとされており、合併症予防対策が非常に大切であることが再認識されています。
 今後、新たなエビデンス(この治療法がよいといえる証拠)をもとにさらなる感染防止をめざしています。


高齢者に対する周術期管理

 日本は高齢者社会となっており、またがん患者の割合も増加し、今後高齢者の外科手術は、さらに増加してくると考えられます。高齢者では、臓器障害を合併していたり、認知機能が低下している方も多く,その周術期の管理は非常に重要となっています。当科では,術前に呼吸機能の低下している症例に対して、術後の肺炎防止の目的でリハビリテーション科の協力をいただき、術前の呼吸機能訓練を積極的に導入しています。また認知機能の低下している方では手術後に一過性に脳の機能障害(術後せん妄)を起こすことが多いため、看護師とともにその防止対策を行っています。


がんのリハビリテーションについて

 通常、リハビリテーション(以下リハビリ)は、何らかの障害が起こってから受けるのが一般的ですが、がんのリハビリでは、がんと診断された後、手術や抗がん剤治療、放射線治療が始まる前や実施された直後から開始し、患者さんの回復力を高め、残っている能力を維持・向上させ、今までと変わらない生活を取り戻すことを支援することにより、患者さんの生活の質(Quality of Life :QOL)を維持するために行われます。
 また、がんのリハビリは治療と並行して行われるため、病状の変化をはじめ、障害の予防や緩和、あるいは能力の回復や維持を目的に、あらゆる状況に対応することが可能で、治療のどの段階においても、それぞれのリハビリの役割があり、患者さんが自分らしく生きるためのサポートを行っています。
 手術前後の時期(周術期)に行われるリハビリは、治療に伴う合併症を予防し、後遺症を最小限に抑えてスムーズな術後の回復を図ることを目的にしています。術前リハビリの利点としては、早期離床(寝たままではなく、ベッドから起き上がること)のために手術後できるだけ早い時期から体を動かした方が良いことを、痛みがない術前の時期の説明で理解することにより、術後の体がつらい時期も積極的にリハビリに取り組めること、術前からリハビリスタッフと面識があることで、術後のリハビリも安心してスムーズに進められること、腹式呼吸法などを事前に訓練しておくことで術後必要になったときにうまくできること、などがあります。また、治療前にリハビリを受けた人とそうでない人の合併症の発症率や回復力の速さを比較すると、明らかな差があることが証明されています。
 当科では癌の治療を予定している方に積極的にがんのリハビリを行い、治療後もQOLを維持できるよう支援しています。


集学的治療・緩和医療

悪性腫瘍については病気の告知を前提とし、患者さんのQuality of Lifeを重視し、疼痛緩和や栄養管理などを含め集学的な治療を行う一方で、各地域の医院・病院と病診連携を積極的に行っています。
 また緩和ケアサポートチーム(医師、認定看護師、薬剤師、栄養士、心理士で構成)によってがん患者さんの苦痛を軽減し、よりよい生活ができるようにサポートしています。


がん臨床試験について

 臨床試験とは病気の予防方法や診断方法、治療方法の改善、病気の原因や病気についての理解、患者さんの生活の質の向上を目的として実施される試験です。臨床試験には、大きく分けて新薬としての承認を得ることを目的とした「治験」と「研究者主導臨床試験」があります。研究者主導臨床試験は、これまで厚生労働省で承認された薬、治療法や診断法から最良の治療法や診断法を確立すること、薬のより良い組み合わせを確立すること等を目的としています。
がん臨床試験は、参加する患者さんの治療の利益に対する配慮が最優先されなければならず、科学的、倫理的な面など、質の高い試験の実施が求められています。そのためには、医師だけでなく、様々な試験支援スタッフの存在が不可欠となります。さらにがん関連薬剤における薬害の未然防止には市販後調査が重要と考えられます。そこで、当センター外科では医師だけでなく、がん専門薬剤師、治験担当看護師、病棟薬剤師による全面支援により、がん臨床試験・がん関連薬剤特定使用成績調査の質の向上をめざしています。



肝胆膵外科について

 肝胆膵外科では肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、脾臓などの悪性・良性疾患に対する手術や薬物療法を行っています。基本的に各疾患のガイドラインに沿った治療を進めるとともに、当センター内の消化器科や放射線科と連携した集学的治療を行っております。
対象疾患は、肝臓では原発性肝癌(肝細胞癌、胆管細胞癌など)、転移性肝癌等、膵臓では膵癌、膵嚢胞性腫瘍(IPMNなど)、膵内分泌腫瘍等、胆嚢・胆管では胆石症、胆嚢癌、胆管癌などです。
 特に肝がんの手術においては、最新の3Dシュミレーションソフトを用い、肝臓の中のがんと血管との立体的な位置関係を把握するとともに、切除肝体積の算出も行い、術前より綿密な手術計画を立てております(下図)。また、術中ICG(indo cyanine green)蛍光法を利用して切除ライン(区域)の同定、微小がんの検出、胆汁漏の有無のチェックなども行い、高い根治性を目指すとともに、合併症の少ない手術を行っております。
また、本年度より、より低侵襲な腹腔鏡下肝切除術の導入も進めております。
肝胆膵外科について  肝胆膵外科について  


上部消化管手術について

食道がんについて

 当センターは、2019年10月より日本食道学会認定の食道外科専門医による手術をはじめとする集学的治療に対応出来るようになりました。南河内医療圏にお住まいの患者さんに安心頂けるような食道がんに対する手術に加え、術前後の化学療法や術後の外来まで対応いたします。また、手術が出来ない患者さんに対しても、放射線治療の専門医や腫瘍内科と協力し、化学放射線治療を行っています。
 食道がんはできる場所にかかわらず早い段階からリンパ節転移をおこします。転移するリンパ節の部位は頚部から腹部まで広範囲にわたります。通常、胸部食道がんに対する手術では、胸部食道と腹部食道を切除(亜全摘)し、頸部から胸部・腹部に至るリンパ節を切除します(3領域リンパ節郭清)。食道を切除した後は、胃を細長い状態にし(胃管)、頸部まで引き上げてつなぎ合わせを行います。
 取り組みとしては、低侵襲手術に力を入れており、がんの進行度を考慮し、施行可能な患者さんに対しては積極的に胸腔鏡・腹腔鏡による完全鏡視下手術を導入しております。この胸腔鏡・腹腔鏡を用いた内視鏡外科手術では、手術の傷が小さくなるだけではなく、手術中の出血量が少なくなり、術後の傷の痛みも少なくなります。また、超高齢化時代に対応するために、呼吸機能の低下している患者さんには非開胸アプローチによる縦隔鏡下食道手術を行っています。
 近年、食道胃接合部(食道と胃のさかいめ)にできたがんを、胃がんや食道がんと区別し、食道胃接合部がんといいます。わが国でも、発生頻度が増加しているといわれています。手術は、下部食道噴門側胃切除が行われ、下縦隔リンパ節切除や、下縦隔での消化管再建が必要となり、術野展開の問題などから、手術の難易度は通常の胃切除に比べるとやや高いと言われています。当センターでは、患者さんの負担を軽減するために、腹腔鏡下に経裂孔的(腹部から横隔膜裂孔を通して)手術を行うことも行っております。

胃がんについて

手術が必要な胃がんの患者さんには日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」に沿った標準的な治療を基盤としながら、当センターでは、患者さんへの負担を最小限にするために、低侵襲手術である腹腔鏡下手術を日本内視鏡外科学会の技術認定医が中心となって積極的に行っております。腹腔鏡下胃切除術の利点は、①傷が小さく、痛みが少ない、②術中の出血が少ない、③腸管などの他臓器へ与える侵襲が少ない、④術後早期に回復し、入院期間が短く、早い社会復帰が可能なことです。また、フルハイビジョンカメラや、画質の良い4Kカメラを用いることで、拡大視された視野の下、さらに繊細で、正確な手術を行うことができ、より安全かつ確実な手術を行うことができます。当センターでは、70~80例/年の胃がん手術数であり、2014年から2019年の6年間では、463例の胃がん手術を実施しました。さらに、2019年10月からは完全鏡視下手術にも積極的に取り組んでおり、早期胃がん・進行胃がんのすべてにおいて根治性が損なわれない低侵襲手術を行っています。今後はロボット支援下手術による胃がん手術にも対応出来るような体制を整えていく予定です。
 また、現在では、胃がんの化学療法は従来の抗がん剤のみならず、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬など、多岐にわたっています。私たちは胃がんの化学療法についても、ガイドラインを遵守しながら、最新の臨床試験結果も考慮し、適切に患者さんに提供しています。
  そして、食道がんや胃がん以外の疾患として、胃粘膜下腫瘍があります。その主な疾患はGISTです。GISTとは、Gastrointestinal stromal tumorの略で、消化管間質腫瘍とも言われます。通常、胃や腸などの消化管の内側は粘膜におおわれており、その下に筋肉層があるのですが、その筋肉層にある細胞が異常に増殖し、腫瘍化し大きくなると悪性化します。発生部位は胃が60~70%と最も多く、小腸は20~30%、大腸と食道は約5%と言われています。当センターでは5cm未満の腫瘍であれば、腹腔鏡下に胃部分切除を行います。このうち、胃上部にあり部分切除が困難な患者さんには消化器科医師の協力のもと2014年度より腹腔鏡・内視鏡合同手術(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery:LECS)を導入し、良好な治療成績が得られています。


下部消化管手術について

 大腸癌は罹患数、死亡数ともに増加している疾患です。当科では低侵襲で身体にやさしく、最新の4Kフルハイビジョンの大きな画像を見て精密な手術を行えるメリットを生かし、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。日本内視鏡外科学会が定める技術認定医師がすべての大腸手術に参加し、定型化された手術を行い、手術合併症が少ないことも当科の特徴です。年間100例を超える大腸癌手術を施行しており、その大半が腹腔鏡下手術となっています。尚、手術難度の高い進行直腸癌に対しては術前化学放射線療法を併用することで根治と肛門温存の希望に応える手術を目指しています。
 大腸癌は、手術の他に抗癌剤治療や放射線治療が必要となる場合もあります。ガイドラインやエビデンスに基づき最新の薬剤を導入して、個々の患者さんに応じた最適な治療法を提案しています。ステージ4の切除不能大腸癌であっても、長期の生存が見込めるようになり、外科医師のみならず様々な医療従事者が一丸となって治療に携わります。

大腸癌治療に関して、国はがん登録を開始し、そのデータの公表を始めています。2011年から2013年の大腸がん患者さんの5年生存率の公表では、当院は大阪府の中で4番目の良好な成績でありました。これは手術だけでなく、手術の合併症の予防対策、手術後の管理、薬物療法などを適切に行ったためと考えております。
今後もさらに患者さんの予後を改善するよう努力したいと考えております。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術について

 鼠径ヘルニアは、一般的に“脱腸”と呼ばれ、年を重ねたり、腹圧のかかる運動を繰り返したりすることにより、鼠径部(足の付け根付近)の腹筋の隙間から小腸などの内臓が飛び出してくる病気です。症状としては、立ち上がったり、お腹に力を入れたりした時に鼠径部が膨らみ、まれに痛みを伴うこともあります。残念ながら、成人の場合は自然には治らないので手術が唯一の治療となります。
 鼠径ヘルニアの手術には大きく分けて2種類の方法、腹腔鏡を用いた方法と、用いない方法(従来の方法)があります。数年前までは日本で行われる鼠径ヘルニアの手術のほとんどは、腹腔鏡を用いず、鼠径部の膨らんでくるところを5cm程度切って、腸が飛び出してくる出口を見つけてきて、メッシュと呼ばれる補強の網を縫い付けて、出てこなくするという方法でしたが、最近では、腹腔鏡を用いてお腹の内側から手術を行い、腸が飛び出す入口側を補強する方法に徐々に入れ替わってきています。
腹腔鏡手術の利点としては、
  • 1)創部がおへそを含め3か所でそれぞれ5mmと小さいため、術後の痛みが少なく、美容上も優れること、
  • 2)従来法に比べ鼠径部のつっぱり感や腫れが少ないこと、
  • 3)お腹の中からヘルニア部分を直接観察できるので診断が確実で、弱くなっている筋肉を広くメッシュで覆うことができ再発が少ないこと、
などが挙げられます。
創部は吸収性の糸で形成外科的な縫合をしますので抜糸の必要がなく、縫った部分もほとんどわからなくなります。  手術時間は1時間半前後で、翌日から今まで通り歩行や食事も可能です。当院では入院期間は3泊4日を基本としており、ほとんどの方が手術翌々日に退院されます。
 現在では、全国的にも鼠径ヘルニアの手術において、腹腔鏡手術が占める割合がどんどん増えてきており、当センターでも2013年より鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡手術を導入し、2019年は8割の患者さんが腹腔鏡手術を受けられています。以前にお腹の手術をしている方は腹腔鏡手術の適応でない場合がありますが、当院では従来法と腹腔鏡手術のどちらにも対応できますので、鼠径ヘルニアでお悩みの方は、 是非一度ご相談ください。


肛門外来 (金曜日 午後1時‐3時(予約制))

 痔は、直立歩行を始めた人類の宿命ともいえる病気です。 症状が出ないものまで含めると、日本人の成人の3人に1人にみられるといわれています。
 羞恥心と、生命に直接関係しないという安易な気持ちから、多量の出血や強い痛みが出ない限り、病院へは行かない方も少なくありません。
 しかし、自己判断で市販薬を使って漫然と治療されている方の中には、疾患がかなり悪くなったり、合併症を併発してしまうこともあります。
 また、自分では痔だと思っていても、実際は大腸の病気のことがありますので、まずは一人で悩まずに診察を受けてください。外科を受診するとむやみに手術を勧められるのではないかと考えられる方もいらっしゃるかも知れませんが、そのようなことは絶対にありません。
 ほとんどの痔疾患は日常のケアが大切であり、生活の改善や便通の調整、薬物療法で改善しますが、脱出する痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)、直腸脱の患者さんには手術が必要となることがあります。
 当センターでは、内痔核に対して、従来の手術治療である切除療法だけでなく、最新治療である切らずに治せる治療としてALTA(ジオン注)を用いた内痔核硬化療法を取り入れています。
ALTA療法の場合、痔核に直接注射を行い、痔を小さく(硬化・縮退)し、痛みや脱出、出血を治します。手術室にて30分程度の小手術を行いますが、従来の切除手術に比べて、痛みが非常に少なく、体に優しい低侵襲の治療のため、2014年4月より、日帰り手術を開始し、通常は入院の必要がありません。現在までのところ、治療を受けられた方は、ほぼ痔核の症状が消失し、満足されております。しかし、すべての痔核の方にALTA療法が行えるわけではありませんので、まずは肛門外来を受診していただき、それぞれの患者さんの病態に応じた最適な検査および治療をおこないます。
 担当するのは、大腸肛門病専門医をはじめ、全員が内痔核硬化療法の資格を持っています(内痔核治療法研究会四段階注射法講習修了)が、痔疾患の急性の症状については一般外科の外来でも対応可能ですのでご安心ください。
なお、専門外来は予約制で午後のみですので、紹介状をお持ちになって、当センター地域連携室を通じてご予約ください。


手術実績<手術件数>

数\年度 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
手術総数 541件 559件 689件 704件 690件
全身麻酔 483件 487件 524件 542件 542件
腰椎麻酔 7件 15件 31件 32件 29件
局所麻酔 51件 143件 134件 130件 119件

臓器別

臓器\年度 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
食道癌手術 2件 0件 0件 0件 0件
胃癌手術 45件 60件 61件 63件 69件
大腸癌手術 100件 113件 90件 128件 117件
[結腸癌手術] 70件 74件 63件 93件 80件
[直腸癌手術] 28件 38件 27件 34件 37件
肝癌手術 15件 15件 14件 18件 22件
[原発性] 6件 7件 9件 9件 14件
[転移性] 9件 8件 5件 9件 8件
胆石症手術 91件 92件 81件 98件 117件
胆道癌手術 13件 11件 10件 4件 4件
膵臓癌手術 9件 1件 10件 9件 8件
ヘルニア手術 111件 100件 95件 108件 117件
虫垂炎手術 28件 33件 24件 25件 21件
肛門疾患手術 35件 38件 55件 54件 50件
腹腔鏡下手術 329件 329件 258件 287件 282件
[胆嚢摘出術] 83件 80件 74件 81件 101件
[胃切除術] 30件 24件 25件 24件 44件
[大腸切除術] 80件 102件 96件 129件 109件
[ヘルニア手術] 83件 75件 55件 42件 5件
[その他] 53件 16件 11件 53件 28件

臨床実績<治療成績>

地域がん診療拠点病院としてがん患者(主要な癌、肺、胃、大腸、肝、乳癌など)の5年生存率の情報を公開する義務があり、胃癌、大腸癌、乳癌、肝癌の各stage別の5年累積生存率を呈示します。
 

胃癌 5年相対生存率 2001-2005年診断例 (n=414) 追跡率93.2%

胃癌 5年相対生存率
 

大腸癌 5年相対生存率 2001-2005年診断例 (n=411) 追跡率94.7%

大腸癌 5年相対生存率
 

乳癌 5年相対生存率 2001-2005年診断例 (n=143) 追跡率 97.2%

乳癌 5年相対生存率
 

肝癌 5年相対生存率 2001-2005年診断例 (n=131) 追跡率 94.0%

肝癌 5年相対生存率

スタッフ紹介

堀内 哲也 がん診療連携総括部長・地域医療連携室長(併)
卒業大学 宮崎医科大学医学部卒
学位取得 医学博士
認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医、日本乳癌学会、外科周術期感染管理認定医、消化器がん・外科治療認定医、検診マンモグラフィ読影認定医(A評価)
専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器内視鏡学会
指導医 和歌山県立医科大学臨床教授、日本外科学会、日本消化器外科学会、ICD制度協議会 ICD、外科周術期感染管理教育医
学会活動 日本臨床外科学会評議員、日本内視鏡外科学会評議員、日本外科感染症学会評議員
専攻分野 消化器癌、内視鏡外科、一般外科,外科感染症
中森 幹人 消化器外科部長
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部卒
和歌山県立医科大学大学院卒
学位取得 医学博士
認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、ロボット(da Vinci)手術認定医、日本食道学会食道科認定医
専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本食道学会食道外科
指導医 日本外科学会、日本消化器外科学会
学会活動 日本外科学会代議員、日本消化器外科学会評議員、日本食道学会評議員、日本胃癌学会代議員、日本内視鏡外科学会評議員、日本癌治療学会代議員

専攻分野 消化器外科、食道・胃外科、内視鏡外科
稲田 佳紀 外科医長
卒業大学 自治医科大学医学部卒
学位取得 医学博士
認定医 日本外科学会,日本化学療法学会抗菌化学療法認定医、日本医師会認定産業医
専門医 日本外科学会、日本消化器内視鏡学会
指導医 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医、ICD制度協議会 ICD
専攻分野 消化器外科
小澤 悟 外科医長
卒業大学 富山医科薬科大学医学部
学位取得 医学博士
認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会
専攻分野 消化器外科、肝胆膵外科
田村 耕一外科医師
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部
学位取得 医学博士
認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器内視鏡学会
指導医 日本外科学会、日本消化器外科学会
学会活動 近畿外科学会評議員
専攻分野 消化器外科、大腸外科
辻 俊明 外科医師
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部卒
学位取得 医学博士
認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会
専攻分野 消化器外科
重河 嘉靖外科医師
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部
学位取得 医学博士
認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医
専門医 日本外科学会、日本消化器病学会、日本がん治療認定医、日本肝臓学会、日本消化器外科学会、日本消化器内視鏡学会
指導医 日本消化器外科学会、日本肝臓病学会、日本消化器病学会、ICD制度協議会 ICD
学会活動 近畿外科学会評議員、日本東洋医学会和歌山県部会役員
専攻分野 消化器外科、肝臓外科、内視鏡外科
木村 正道 外科医師
卒業大学 鳥取大学医学部卒
専門医 日本外科学会
専攻分野 消化器外科(一般外科)、消化器癌 、内視鏡外科